賃貸活用術と生活の知恵
何よりも売買契約は売主と買主の間で価格についての合意が成立することによって成立するものです。
買主は「この土地をかくかくの代金で買う」という約束をしたわけですから、仮に実測面積が登記簿上の面積より少なかったとしても、代金の減額請求や契約の解除をすることはできません。
契約書に売買面積に過不足がある場合の精算条項が設けられている場合、売主と買主の双方が契約書に表示した面積が実際の面積であることを前提にして契約し、しかも、その面積を基準にして代金を計算したのであれば(いわゆる数量指示売買の場合)、代金の減額請求ができます(民法563条1項、565条)。
売主は、原則として契約書に精算条項がなければ、増額請求はできません。
売主が錯誤の主張を行うことも考えられますが、この土地を売るといった以上、その主張は容易には認められないでしょう。
購入する土地の面積については、登記簿上の面積を確認するだけではなく、測量士に実測を依頼してから代金を決めるのが安全です。
これができない場合は、必ず代金の精算条項を入れるようにしてください。
売主が他人の所有する物件について売買契約を結ぶことを、他人物売買といいます。
民法上、他人物売買は有効とされますが、買主は自宅の購入を考えていたところ、条件に合う物件が見つかったので、早速売買契約を締結したとしましょう。
その物件の実際の所有者は売主の母親であることがわかりました。
母親は売却に反対して所有権の移転登記に応じようとしません。
このような場合、買主はどういう手段をとることができるかを考えてみましょう。
民法では、他人の物について所有者の同意なく売買契約を締結した場合でも、契約自体は有効とされています(民法560条)。
このとき、売主はその所有者から所有権を取得して、これを買主に移転する義務を負います。
したがって、買主が物件の所有者となるためには、売主がその義務を履行することが前提となります。
このケースで、母親が売却に応じず、第三者に所有権を移転し、登記をしてしまえば、売主は買主に所有権を移転する義務を履行できません。
この場合、買主は契約を解除することができます(民法561条)。
売主に義務不履行に関する責任があるかどうか、買主が他人物売買であることを知っていたかどうかは問われません。
買主が他人物売買であることを知らなかった場合は、売主に対して損害賠償の請求もできます。
悪意の買主でも、売主に責任があるときは、損害賠償を請求できます(最高裁・昭41.9.8判決)。
契約当時、売主が他人物であることを知らず、買主も他人物であることを知らなかった場合は、売主は買主に損害賠償をすれば契約を解除できます。
物件に抵当権がついていても、債務者が債務を返済すれば何の問題もありません。
債務者が債務を返済できなくなったときには、その物件は競売にかけられ、競落した人が所有者となります。
その場合、買主は売主から登記を得ていたとしても、所有権を失うことになります。
抵当権の登記のある物件の場合、所有権移転の登記を受けたからといって、安心しているわけにはいかないのです。
この場合は、売買契約を解除して、それまでに支払った金銭の返還を請求でき、損害賠償の請求もできます(民法567条)。
そもそも売主は借金が払えないために抵当権を実行されたわけですから、一般的にはその売主に返還請求や損害賠償請求に応じられる資力があるとは考えられません。
したがって、買主の泣き寝入りという不運な決着をみる可能性が高いと言えます。
抵当権付の不動産を購入するときは、遅くとも代金支払期日までに抵当権を消滅させることを売主に要求してください。
一般には、代金支払いのときに抵当権者に同席してもらい、買主が支払う売買代金の全部は一部を売主の債務弁済のための支払いに充てることを決め、それと引き換えに抵当権の登記の抹消に必要な書類を買主が受け取るという方法がとられます。
抵当権付の不動産の買主は、「摘除」という手続きによって、不動産についた抵当権を消滅させることができます(民法378条)。
買主が抵当権者に金銭を支払うことによって抵当権の消滅を申し入れる方法です。
買主が売買代金を支払っていない場合は、摘除が抵当権者に受け入れられ、その手続きが終了するまで、売主に対する代金の支払いを拒むことができます(民法577条)。
売買代金の支払いが終わっている場合は、買主は売主に対して摘除のために要した金銭を請求できますが、請求に応じる資力が売主にないこともあります。
地下車庫付の建売住宅を購入したが、雨が降ると地下車庫に水がたまってしまい、車庫としての使用が困難である場合、販売業者に責任を問えるかどうかという問題があります。
雨漏りや水道配管の腐食などの物質的欠陥のほかに、法律的欠陥のある不動産もあります。
たとえば、家を建てるつもりで土地を買ったが、法律上の制限により、建物を建てられない場合などです。
このような欠陥を暇庇と呼び、個々のケースで不動産に暇価のあることが認められれば、売主に対して暇価担保責任を問うことができます。
契約解除にまでは至らない場合でも、暇慨によって生じた損害の賠償請求はできます。
ただし、賠償請求が認められる損害の範囲については争点となるところですが、少なくとも修繕に要した費用は請求できるでしょう。
買主は、売主に対して直接暇祇の修補を請求することはできないとされています。
この修補請求権を認める有力な見解も出てきています。
ただ、現在のところは、修補は買主の責任で行い、その費用を売主に請求する現在、売主に対する修補請求権は認められていませんが、売主が承諾した場合は、まったく問題はありません。
特に売主が販売業者である場合には、請求してみるのがよいでしょう。
相続人の1人が履行を拒んでいる場合、買主はその者を相手として引渡しと所有権移転登記の履行を請求して訴訟を起こし、勝訴判決を得て履行の強制をすることができます。
あるいは、履行の催告をしたうえで契約を解除し、損害賠償を請求することもできます。
なお、判例によれば、他の相続人が履行を拒んでいる相続人を相手として、買主に対する移転登記を履行させる訴訟を起こすこともできるとされています(最高裁・昭50.3.6判決)。
売主が契約締結後に死亡した場合、相続人は相続登記後に買主に移転登記をする必要はなく、死亡した売主から直接買主へ移転登記をすることができます(不動産登記法42条)。
存否不明の場合は相続財産の管理人の選任(民法952条)を、行方不明の場合は不在者の財産の管理人の選任(民法25条)をそれぞれ家庭裁判所に請求し、選任された財産管理人と物件の引渡し、移転登記について話し合ってください。
契約の相手方が死亡した場合は、まず相続人が誰であるかを知ることが重要です。
遺族に連絡して戸籍謄本をとってもらい、相続人が何人いるのかを聞き、その氏名、住所などを問い合わせてください。
自分が居住している土地・建物の譲渡に関しては、3000万円の特別控除額が認められます。
長期譲渡所得金額は短期譲渡所得金額からこの特別控除額を差し引いたものが、課税譲渡所得金額になります。
なお、この特別控除の特例は3年に1回適用されます。
ただし、近親者への譲渡には適用されません。
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